水彩画で花を描こう④|重ね塗りで深みを出すダリア・椿・コスモス

水彩の基本テクニック
あーちゃん
あーちゃん

こんにちは!透明水彩アーティストのあーちゃんです。

水彩で花を描く練習シリーズも、いよいよステップ4になりました。
今回は、ダリア・椿・コスモスをテーマに、淡い色から順に重ねる重ね塗りで立体感を出すテクニックを紹介します。

花びらの重なりや陰影を意識しながら、水彩画で立体感を出したい
色を重ねても濁らず、やさしい透明感を活かす方法を知りたい
初心者でも順番と水分量を工夫して、ふんわり奥行きのある花を描きたい

そんなあなたにおすすめの内容になっています。

写真付きでステップごとに解説しながら、水彩画ならではのやわらかさと深みのある花の表現を楽しむ方法をお伝えします🎨

前回までのおさらいをしたい方はこちらからどうぞ

ステップ①➨バラ・ミモザ・ガーベラの描き方

ステップ➁➨アジサイ・スイートピー・ネモフィラの描き方

ステップ➂➨ラナンキュラス・ポピー・マーガレットの描き方

また第二弾からは、🔰はじめてさんが使いやすく手に入れやすいことを考慮して、使用画材を統一しています。

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ダリアのにじみと重ね塗りの基本ステップ

ダリアは花びらが幾重にも重なり、まるで小さな花のかたまりが集まったような華やかさがあります。🔰はじめてさんでも、淡い色から順に重ね塗りをしていくことで、ふんわりと立体的な花を描くことができます。ここでは、色の順番や水分量のコツを丁寧に紹介します。

ふんわり花びらを描く下地づくり

ダリアは花びらがたくさん重なっています。周りから薄く溶いた絵の具で一枚ずつ花びらを描いていきましょう。ここでいきなり濃い色をのせると失敗に繋がりやすいので、必ず薄く溶いて適度な水分を含んだ筆で描きましょう。ちょうど花びらを一周するころに水分がなくなるくらいがベストです。

今回はピンクの優しい花を描きたかったので、ローズマダーとクリムソンレーキの二色を混色して描きました。

少しずつパーマネントイエローも足していきました。でも急に濃くなると不自然なので、薄く、薄くを意識しました。

あーちゃん
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下の花びらが透けて見えていて、透明感がきれいな重ね塗りですね✨

ここで濃いめにいれました。まだ乾く前の写真ですので、これよりは薄く仕上がります。

花の中心を引き締める仕上げ

ダリアは中心がぎゅっと詰まっているので、最後に濃いめの色を数か所に置くと画面が引き締まります。周りの花びらを描き込みすぎず、あえて余白を残すことで透明感が保たれます。
🔰はじめてさんにありがちな「塗りすぎ問題」を避けるためには、「ここで一度やめて眺めてみる」ことが大切。仕上げ前に紙を立てかけて少し距離をとって見ると、必要な部分と描かなくてもいい部分が自然と見えてきますよ。また、目を細めてみるのも一つの手です。それぞれ試して自分に合ったやり方が見つかるといいですね!

失敗と次回への反省

少し違和感があったので、水だけでぼかしました。

今回少し失敗したところは、丸みを持たせる空気感を表現しきれなかったことです。平面的になってしまい、のっぺりとした印象になり、これはこれでいいのですが、もっと自然な感じで描きたかったので、次回はこの反省を生かして立体感を持たせて描きたいです。

また下書きが少し残ってしまい、それもまた気になります。まあそんなに目立たないっちゃー目立たないんですが、なんか消したかった…これを見ているあなたは、薄めに下書きを描いておくことをおすすめします。

椿をふんわりボリューム感たっぷりに描く

椿は丸みのある花弁と、しっかりしたボリューム感が特徴です。光と影を意識して色を重ねることで、透明水彩ならではのやさしい雰囲気を保ちながら、立体的な花を描けます。🔰はじめてさん向けに、水分量や塗り方のポイントもわかりやすく解説します。

花弁の丸みを出す色の重ね方

🔰はじめてさんは、まず「丸い花のかたまり」としてざっくり下地をとらえるのがおすすめ。今回は横から見た構図にしました。楕円型になっていますので、まずは楕円におおまかにかたちを捉えて、花びらを描く前に雄しべと雌しべを描いておきましょう。そこに花びらを一枚ずつ描いていきます。椿の花びらの形は、丸いシルエットでボリューム感を持たせたいですね。

椿の花は花弁が肉厚で、しっかりとした丸みがあります。最初に淡いピンクや赤で花全体の形をざっくり塗り、その後に少しずつ色を重ねていくと立体感が生まれます。ポイントは「外側から内側へ」と意識して色をのせること。外側は淡く、中心に近づくにつれて濃い色を置くと、自然に花びらが前にせり出して見えるんです。🔰はじめてさんは、花びらの一枚一枚を描こうとせず「丸みをどう見せるか」に集中すると失敗しにくいですよ。

水の量で柔らかさを表現するコツ

椿を描くときに欠かせないのが「水のコントロール」。花びらを柔らかく見せたいなら、筆に含ませる水の量を意識してみてください。たとえば、下地を塗るときは筆にたっぷり水を含ませて、ふんわり広がる色を楽しみます。逆に花の縁や影を描くときは、水分を控えめにすると色がしっかりとのって輪郭が出やすいです。透明水彩の魅力は、この「水の遊び方」にあるので、あえてにじませたり、わざとムラを残したりするのも素敵な表現につながりますよ。

今回はこのようにざっくり明かるところは塗らずに残してボリューム感を表現しました。ちょっと丸みが不自然に感じたので、あとから水でぼかしました。この時の筆の水分は少な目にしました。垂れるくらいにしてしまうと、水の輪ができてしまいます。これも技法的にはありですし綺麗ですが、ここでは不自然になってしまうので使いません。あくまできれいなグラデーションができるように筆の水分量には気を配っています。


🔰はじめてさんがつまずきやすい注意点

椿を描くときによくあるつまずきが「塗り重ねすぎて濁る」こと。何度も同じ場所に色をのせてしまうと、せっかくの透明感が失われてしまいます。そんなときは、一度紙を乾かしてから次の色を重ねましょう。ドライヤーを使うのもおすすめです。また、花弁を全部同じ色で塗ってしまうのもよくある失敗。実際の椿は光が当たっている部分は淡く、影の部分は濃いので、メリハリを意識して色を置くだけでぐっとリアルになります。完璧を目指さず「今日はこの一輪を楽しむ」くらいの気持ちで描くと続けやすいですよ。

今回は、赤・青・黄の三色を混色した黒っぽい濃い色を影に足しました。まだ、乾いていないうちに色をのせるとにじんで自然な仕上がりになります。もし乾いていても大丈夫!筆を洗って濃いところを伸ばせばおっけ~!先ほどのグラデーションの知識が生かせますね。

コスモスを軽やかに透明感を残して描く

コスモスは透けるような薄い花弁が魅力で、軽やかさと奥行きを両立させるのがポイントです。淡い色から重ねて少しずつ陰影を足すと、透明水彩ならではのふんわりした立体感が生まれます。🔰はじめてさんでも楽しみながら描ける方法をお伝えします。

薄い花弁と重ね塗りのバランス

コスモスの魅力は、何と言っても透けるような薄い花弁。描くときは、まず淡いピンクやラベンダー系の色で花の形をざっくりと作るのがポイントです。ここで大事なのは「薄く塗ること」と「重ねすぎないこと」。🔰はじめてさんは、濃く塗ろうとしてしまいがちですが、少しずつ色を重ねることでふんわりした花びらの雰囲気が出ます。色を重ねる順番や水分量を工夫すると、透明水彩ならではの軽やかさをキープできます。

花芯まわりの陰影で奥行きを出す方法

花芯の周りを少し濃く塗るだけで、ぐっと奥行きが出ます。黄色やオレンジをアクセントにして、周囲の淡い花弁とのコントラストを意識すると、立体的に見せることができます。塗る際は筆先の水分量を調整して、にじみをコントロールするのがコツです。🔰はじめてさんでも、中心部分を少し濃くするだけで、軽やかさと深みを両立できるので試してみてください。

今回は、パーマネントイエローディープを濃いところに。薄いところはパーマネントイエローレモンを。一番明るいところは、水分をぬぐった筆でさっと色抜きをしました。これだけで立体感が生まれて素敵♡

失敗を防ぐためのちょっとした工夫

コスモスの花弁は薄いので、乾く前に重ね塗りしすぎると色が濁ってしまいます。ここでの工夫は「乾いてから次の色を重ねる」ことと、「筆を軽く滑らせる」ことです。また、花全体を描くときは、外側の花弁から塗り始めると自然に透け感が出せます。🔰はじめてさんは、つい全体を一気に塗ろうとしがちですが、部分ごとに少しずつ塗ると透明感を損なわず、ふんわりしたコスモスが描けます。必ず隣同志の花弁が乾いてから重ねて描きましょう。

ちなみに、コスモスの黄色い部分は「筒状花」といい、雄しべ、雌しべとは言わないそう…うーんややこしい。この周りの部分に黒く伸びているところも混色した黒っぽい色で描きました。混色することで自然な黒になっていますね。これは全体が乾いてから最後の仕上げに行いましょう。

まとめ|重ね塗りで花に立体感を出すコツ

ダリア・椿・コスモスの重ね塗りを通して、色の順番や水分量の調整、陰影の付け方など、立体感を出す基本が学べました。淡い色から重ねる順番や、花弁の重なりを意識することで、やさしい透明水彩の雰囲気を保ちながら、自然な奥行きや立体感を描けるコツを復習しましょう。

今回の3種類の花で学んだことの復習

今回のダリア・椿・コスモスを描く中で、重ね塗りの順番や水分量の調整、陰影の付け方など、立体感を出す基本をしっかり学びました。

  1. ダリアは花芯に向かって濃い色を重ねることで奥行きを表現
  2. 椿は光と影を意識して花弁に丸みを出す
  3. コスモスは薄い花弁を重ねつつ花芯周りで奥行きをつける

この復習を通して、やさしい透明水彩の雰囲気を保ちながら、花の立体感や深みを描く感覚がつかめます。写真付きで手順を振り返ると、次の作品にもすぐ応用できます。

あーちゃん流ポイントまとめ

重ね塗りで立体感を出すコツは、

  1. 焦らず乾かす
  2. 薄い色から重ねる
  3. 色を濁らせない
  4. やさしい透明水彩らしい雰囲気を大切に

これらを意識すると、初心者さんでもふんわりと立体的で深みのある花を描けます。写真で確認しながら進めると、自然でやさしい仕上がりが目指せます。

花を描くときに大事なのは、失敗を恐れない気持ちですにじみやムラは水彩画の魅力そのもの。むしろ偶然できた色の重なりが、花びらをより自然に見せてくれます。

とくにダリアのように複雑な形の花は、「すべての花びらを正確に描こう」と思うと疲れてしまいます。🔰はじめてさんは「光があたって明るい部分」と「影になって暗い部分」だけに注目すると、ぐっと楽になりますよ。

そして何より「描いていて楽しい」と思えることが一番の上達への近道。今回の練習をきっかけに、次の花や葉、背景へと少しずつ挑戦していきましょう。

👇前回までのおさらいをしたい方はこちらからどうぞ

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あーちゃん
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それでは次回もお会いしましょう。あなたらしくわたしらしく~

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