「水彩で花を描いてみたいけれど、どんな形から練習すればいいのかわからない」
「バラやガーベラのように複雑な花を描こうとすると失敗してしまう……」と悩んでいませんか?
花はそれぞれ形も咲き方も異なるため、特徴に合わせた筆使いや色作りを押さえることが上達への近道です。
全5回の連載シリーズ「水彩画で花を描こう」の第1弾となるこの記事では、初心者さんにもおすすめの代表的な3種類の花「バラ・ミモザ・ガーベラ」をピックアップ!
それぞれの形の違いを楽しみながら、ふんわり優しく描き分けるコツを分かりやすく解説します。

わたしも最初は形を追いすぎて手が止まってしまうことがよくありました。でも、ざっくりとした形捉えとちょっとした筆使いのコツさえ掴めば、どなたでも可愛らしく描けるようになりますよ♪
※水彩画の基本的な道具選びや「ぼかし・にじみ」などの基本技法を基礎からじっくり確認したい方は、まずはこちらの総論記事からチェックしてみてくださいね。
1. バラの描き方|水彩画で表現する「深みと花びらの重なり」のコツ
・バラの複雑な重なりを単純な図形(〇・△)で捉える方法
・花びらの立体感を出す中心部の濃淡コントロールと重ね塗り

幾重にも花びらが重なり合うバラは、一見難しそうに見えますが、ざっくりとした流れを捉えることで自然な柔らかさを表現できます。
【今回使用した画材】
・筆:ホルベインミニリセーブル5本セット8号
・水彩紙:ホワイトワトソン水彩紙(ポストカードサイズ / 300g)
・絵の具:ホルベイン透明水彩絵の具(ジョーンブリヤン・オペラ・クリムソンレーキ・ミネラルバイオレット)
👇すみません💦間違えてナイトフォールで撮影していましたが正しくはミネラルバイオレットです。

バラの構造を観察!複雑な形を「シンプルな図形」で捉える
バラを前にしたとき、いきなり1枚ずつの花びらを細かく追おうとすると全体が歪みやすくなります。まずは全体のシルエットを「〇(丸)」や「◇(ひし形)」といった大きな図形として捉えましょう。

外側の大きな花びらから内側の小さな渦へ向かうリズムを意識するだけで、描きやすさが格段にアップします。
形が取れないときの必殺技|写真を白黒にして明暗だけを見る
説明だけでは簡単には描けないよ~💦ってあなたに安心してほしい。
過去のわたしもかーなーり!失敗しました。描けないというか、カタチを捉えられないのです。かなり苦労しました。でも大丈夫!描きたいモチーフの見方さえ知ってしまえば、描けるようになります。
そこで記事を見てくれているあなたへ、特別に簡単で有効な必殺技を伝授!
それは、「彩度を-100まで落とすこと」・描いた作品の「写真を撮ること」です。

彩度をマックスの-100まで落とすと簡単にグレースケールの写真に変身します。要するにこれで、コントラストだけの見方をするのです。余分な「色」の情報が抜け、白黒で観れるようになると、一気に描けるようになるのです!

わ!それはすごい!✨
またそのあと、描いた作品を撮影してみましょう。これもグレースケールに変身させてみるとよくわかります。コントラストが弱いな~と思ったら、描き足せばいいのです。スマホで簡単にできます^^カメラアプリの補正機能でサクッとやりました。便利ですね。

https://youtube.com/shorts/e5OewJhOrQI?si=7meOrYxCZHotJXOn
ブラウザ上でも無料でグレースケールに変換できるサイトもありますので、ぜひ活用してみてくださいね!
➨https://www.peko-step.com/一例です。
➨https://www.canva.com/キャンバでもできます!
やり方は、編集→フィルターの中から「Mono」の好きなフィルターを選択。今回は、ニュースペーパーにしてみました!

立体感を引き出す「中心部の濃淡」と筆の動かし方
バラの花びらは、軽く筆を滑らせるように塗っていきます。

立体感を出す最大のポイントは「中心(奥まった部分)の影」です。中心部は光が届きにくく明度が下がるため、後から濃く溶いた絵の具をスッと差すように乗せてみましょう。手前と奥のメリハリが生まれ、パッと華やかな見栄えになります。



中心を濃くするだけで、一気に奥行きが出て「バラっぽさ」が増すんだね!

中心の陰影を描くときは、筆先を使うよ!もしうまく使えないときは、無理せず細い筆を使ってみてね♡
ふんわり感を残す水分量とおすすめの紙・画材
バラのみずみずしいふんわり感を出すには、適度な水分量が欠かせません。水が多すぎると形が崩れ、少なすぎると硬い印象になってしまいます。

う~ん水加減ほんとうにむずかしい~💦
初心者さんが水分コントロールで失敗しないためには、「紙の厚さ(300g/㎡以上)」選びがとても重要です。厚手の水彩紙を使うことで、水をしっかり受け止めてくれます。もし水が多くなりすぎたときは、水分の少ない筆でさっとぬぐい取るか、ティッシュのふちをそっと触れさせてみてください。


👇ショート動画でもご紹介しています!ぜひ参考にしてみてくださいね。
2. 水彩画で描くミモザ|丸いお花をポンポン塗りで可愛く表現するコツ
・黄色が白地にボケない「隠し味の混色」テクニック
・にじみを活かしたぽんぽん塗りとシダ風の葉っぱの描き方

【今回使用した画材】
・筆:ホルベインミニリセーブル5本セット2・8号
・水彩紙:ホワイトワトソン水彩紙(ポストカードサイズ / 300g)
・絵の具:ホルベイン透明水彩絵の具(パーマネントイエローレモン・パーマネントイエローディープ・バーミリオンヒュー・サップグリーン)

春の訪れを知らせるミモザは、小さな丸いお花が可憐に集まったモチーフです。精密に描くよりも、水彩らしい「にじみ」を活かしてラフに置くのが可愛く仕上げるコツです。
黄色をボケさせない!「バーミリオンヒュー」を少し混ぜる色作り
白い水彩紙の上にレモンイエローなどの鮮やかな黄色をそのまま塗ると、光に飛んでしまって輪郭がぼやけてしまうことがあります。

そこでおすすめなのが、黄色(パーマネントイエローディープ)にほんの少しだけ赤(バーミリオンヒュー)を足す工夫です。ほんのり暖かみと深みが加わり、紙の上でくっきりと温かみのある存在感が出ます。
過去のわたしも黄色単体で描きたいのにうまく表現できず、結構苦労しました。同系色ですが、発色のよい赤を重ねてあげることで自然な立体感がでることがわかり、以降はこの方法を取り入れています。
「ぽんぽん塗り」とにじみでつくる奥行き表現
ミモザの花は、完璧な丸を描こうとしなくてOK!水の量を多めにした筆で、紙の上に「ぽんぽん」と色を置くように重ねていきます。


ポンポンするだけなら一気にハードル下がるし、ぼくにもできる~♪
紙が乾かないうちに少し濃い黄色やオレンジを重ねると、色が自然にじわっと広がって、ミモザ特有のふわふわとした質感と立体感が生まれます。
羽のような可愛い葉っぱ(シダ状)をリズムよく描く手順
ミモザの葉は、シダ植物のように小さな葉が規則正しく並んでいるのが特徴です。細い筆でリズムよく引いていくと仕上がりが綺麗です。
- 中心となる軸の線を筆先でスーッと引く
- 筆先を少し寝かせるようにして、軸から外に向かって等間隔にチョンチョンと葉を置いていく

正面を向いた葉や横を向いた葉を混ぜながら描くと、ランダムな動きが出てよりナチュラルに仕上がります。
「濃くはっきりと」を意識して描いてみましょう!

筆の形をそのまま利用して描くと簡単ですよ^^
グリーンはお好きなグリーンで構いません。おすすめは鮮やかなのに深みのある自然な色合いのサップグリーンです。サップグリーンは発色がいいので色鮮やかで画面が引き締まります。黄色がボケてしまう分、サップグリーンで引き締める、を意識してチョイスしています。みなさんもいろいろ試してみると楽しいですよ❣

このサップグリーンで描いたものを使って、リフティング(白抜き)の仕方や、失敗のリカバリーテクニックについて4. 初心者さんが知っておきたい「水彩画で花を楽しむ6つのコツ」でも紹介しています。きっと役に立つと思いますので、最後まで読んでくれたらうれしいです♡
3.水彩画で描くガーベラ|ぱっと華やぐ花びらのラインと色の対比
・下書き(濃いめの鉛筆・練り消し)で輪郭を美しくキープする準備
・花びらをシャープに引き締める「筆運び」と「濃淡のコントラスト」


【今回使用した画材】
・筆:ホルベインミニリセーブル5本セット2号・8号
・水彩紙:ホワイトワトソン水彩紙(ポストカードサイズ / 300g)
・絵の具:ホルベイン透明水彩絵の具(バーミリオンヒュー・ジョーンブリヤン・ミネラルバイオレット・サップグリーン)
パッと花開いた明るい印象のガーベラは、中心から伸びる放射状の花びらが最大の特徴です。
すっきり描くための下準備!水彩色鉛筆と練り消しゴムの活用
ガーベラを描くときは、最初に全体の外枠となる大きめの「円」を描いてガイドにします。
このとき、ピンクや黄色の「水彩色鉛筆」で軽く下書きをしておくか、濃いめの鉛筆を筆圧弱めで描いた後に、練り消しゴムで線を限界まで薄く転がしておきましょう。絵の具を塗った後に黒鉛が透けて残るのを防ぎ、美しい発色をキープできます。

わたしは4bか5bをほとんど力を入れずに描いているので、余分な線以外は消さなくて済んでいます。濃く文字を書くときのように持って力を入れて書いてしまうと鉛筆の線が消えないだけでなく、紙もへこんでしまいますので、上からかぶせるように持つとちからが入りにくくておすすめです。
薄い鉛筆を使って描く方が多いですが、わたしは案外この方法がお気に入りで紙面が汚れるなどの問題もなく描けています。真似してみてくださいね!
ガーベラの構造を理解する!中心から広がる放射状の意識

花の部分にあらかじめ薄く色をのせておきます。これをすることで、画面に一体感が生まれ、自然な仕上がりになります。どうしても乾いた紙面に濡れた筆で直接描くウエットオンドライですと、硬い印象になってしまいがちです。いかに簡単にそれっぽく描くには、にじみを利用するといい感じにこなれて見えるので、ぜひ活用してみてくださいね!

一気に描かない!筆をスーッと動かす綺麗なラインの引き方
花びらを一枚ずつ描くときは、水分をほんの少し控えめにして、筆先を使ってスーッと中央から外側へラインを引きます。

綺麗に等間隔でなくてもOKです。むしろちょっと間隔が空いていたり歪んでいるところがあったほうが本物っぽさがでていいな、と思います。
また、利き手の向きで描きにくい方向もあるかと思います。その際は思い切ってパネルごと回転させて描くと描きやすくなりますよ。

こうじゃなくちゃだめと思いこまずに楽しく描けると、いい絵が描けますよ♪

ついつい力んじゃう癖があったんだ~💦気楽に楽しく描くようにするね!
中央(花芯)と外側のメリハリをつける色の対比
ガーベラは非常にカラーバリエーションが豊富な花です。どんな色を選ぶ場合も、「花芯(中央)をやや濃く、外側の花びらを少し淡く」意識して塗ることで、キュッと引き締まったメリハリが生まれます。


結構重要ポイントです!一気にこなれてみえるコツですので、意識して塗ってくださいね!

中心にしっかりと濃い色が入ると、一気にガーベラらしい力強さが出るね!
特に最初は、花芯と花びらが同系色のガーベラではなく、花芯が黒っぽいものを選んで描いてみると、それっぽく描けると思います。参考画像選びも重要なポイントです。

4.水彩画で花を楽しむ6つのコツ|初心者さんが知っておきたい基本
・薄い色から重ねて失敗を防ぐレイヤリングの基本
・表現を広げる筆の使い分けと、失敗したときのリカバリー方法
今回紹介した3つの花をはじめ、水彩で花を描くときに共通して意識したい大切なマインドとテクニックをまとめました。
① 透明感を格段にアップさせる「紙の白(ハイライト)」を残すコツ
透明水彩は、基本的に「白色の絵の具」を塗るのではなく、「水彩紙の白さ(地の色)」にあらかじめ絵の具を塗らずに残しておくことで一番明るい光(ハイライト)を表現します。
バラの花びらのいちばん光が当たる部分や、ミモザの花房の明るいところは、最初から紙の白を残しておきましょう。あとから筆でぬぐい取る「リフティング」で白を抜くこともできますが、最初に残した白のほうがくっきり明るく仕上がります!

リフティング(白抜き)についてはこのあと解説します。
②「薄い色→濃い色」の順番で焦らず重ねる
水彩画では、一度濃く塗った場所を後から明るく戻すのは大変です。「少し薄すぎるかな?」と感じるくらいの淡い絵の具から塗り始め、しっかり乾いてから段階的に濃い色を重ねていきましょう。この重ね塗りが、花びらに美しい透明感と奥行きをもたらしてくれます。
自然乾燥でももちろんいいですが、早く乾かすには、ドライヤーが便利です!

③描く部位に合わせた「筆の使い分け」
花を描くときは、広い面と細かいパーツで筆を使い分けると思い通りに描けます。
👇ポストカードサイズの絵を描くときの参考筆サイズです。
- 丸筆(6号〜8号程度):花びら全体や、ぼかしを広げたい部分に便利
- 細筆(0号〜2号程度):ガーベラの先や雄しべ・雌しべ、葉の軸など細かい描き込みに最適


ポストカードサイズの絵を描くには、ホルベインミニリセーブル5本セットはとても便利です。丸筆8・6・4・2・0号の5本セットです。今でも使っていますよ♡

あーちゃんみたいに描きたいから、買っておく♡
④ 花を描いた後の「背景の扱い方」はどうする?
「花が描き上がったけれど、背景はどうしたらいいの?」と迷う方も多いですよね。
初心者さんのうちは、無理に背景を塗らず「紙の余白(白)」をそのまま活かすのがおすすめです!主役のお花がはっきりと際立ち、失敗のリスクも減らせます。
もし背景に色を入れたい場合は、花が完全に乾いてから、「花の色より彩度が低く、ごく薄い色」をふんわり乗せると、花がより引き立ちますよ。
⑤「にじみすぎ・かたちの歪み」は素敵な味!リカバリーの考え方
水分の扱いに慣れないはじめのころは、水加減が非常に難しく感じます。思ったよりもにじみすぎちゃった💦こんなに広げたくなかったのに…といった悩みは出てきて当然です。しかしそれも「あなたにしか描けない味」として捉えてみてください。とってもかわいく思えてきますよ。
しかしそうは言っても、どうしても修正したいのよね~という場合は、一度画面をしっかり乾かしてから綺麗な水を含ませた筆で優しく撫で、ティッシュで色を吸い取る「リフティング(白抜き)」を試してみてくださいね。
筆の水分は少な目で表面をやさしくなでるようにこするのがリフティング(白抜き)のコツです。
余談ですが、あまりにも日にちが経過してしまったものは、絵の具が落ちにくいです。加えて絵の具の顔料により紙への定着度も違うため、できれば当日のうちにリフティング(白抜き)しておいたほうが無難です。

またこちらでご紹介させていただいている「ミューズホワイトワトソン水彩紙」は、リフティング(白抜き)しやすい紙です。リフティング(白抜き)技法としても使えますが、修正したいときも便利です。
特に初心者さんのうちは、ここをもっとこうしたかったのにな~ということも多いかと思います。紙選びは結構水彩画において重要で、選び方によってはなかなかうまくならないなんてこともあります。ぜひおすすめの「ミューズホワイトワトソン水彩紙」を使ってみてくださいね!

6.色を濁らせないコツ|混ぜるのは2~3色まで・乾いてから重ねる
「描いているときはいいのに、乾いて見返したらあれ~?色が濁って見える…」そんな経験ありませんか?
過去のわたしもそうだったんですが、結構やってしまいがちなのが、「何色も混ぜすぎてしまう」「乾ききる前にどんどんと色をのせてしまっている」「何度も筆を往復させてしまっている」「水バケツが汚れている」「筆が汚い」ことです。
これ、すべて濁りの原因です。気づかないうちにやってしまっているので、ここを気を付けていけばきれいな濁りのない透明感のある仕上がりになりますよ!

こちらの記事でくわしく解説していますので、濁りでお悩みの方は、是非参考になさってくださいね!
5. まとめと次回のテーマ|にじみを活かした花々に挑戦!
【バラ】
全体をざっくり図形(〇)で捉え、中心の影に濃い色を入れて重なりを表現
【ミモザ】
黄色に少し赤を足して色味を補強し、「ぽんぽん塗り」でふんわり感を描く
【ガーベラ】
下書き線を薄く整え、中央から外側へシャープな筆使いで放射状に広げる
今回は、形も雰囲気も異なる「バラ・ミモザ・ガーベラ」の描き分け方のコツをお届けしました。
上手に描こうと構えすぎず、水と絵の具が混ざり合う変化を楽しみながら、まずは一輪から気軽にチャレンジしてみてくださいね!
水彩画の面白さは、水が作り出す「偶然の表情」にあります。思い通りににじまなかったり形が少し歪んだりしても、それはあなただけの作品の個性であり「味」になります。
次回(シリーズ第2弾)の予告
次回の【水彩画で花を描こう②】では、水彩画最大の魅力である「水のにじみ・ぼかし」を存分に活かしたお花の描き方をご紹介します!
【次回取り上げるお花】
・アジサイ
・スイートピー
・ネモフィラ
水を含ませた紙の上で、色がふわっと広がっていく楽しさを一緒に体験していきましょう。
ここまでご覧くださりありがとうございました!
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それでは次回もお会いしましょう。あなたらしくわたしらしく~


















こんにちは!透明水彩で癒し系動物アートを描いているあーちゃんです。